決意の瞳
「キラ……」
フリーダムから降りてきたキラをラクスは複雑な表情で迎えた。
キラを正視することが出来ず、俯いたままキラの名前を呼んだ。
「ラクス、僕を見て」
キラはとても優しくラクスに囁いた。
その言葉だけでも、キラの表情がラクスには見えた。
優しい微笑み。
一番好きな表情。
だから、ラクスはゆっくりと顔をあげてキラを見つめる。 そのアイスブルーの瞳にはうっすらと涙が滲んでいた。
「ラクス、怪我は無い?」
キラはそっとラクスの頬に手を当て、涙を拭いラクスの様子を伺った。
「わたくしは大丈夫です…。あなたが…キラが守ってくれたから」
涙を拭ったその手に、また涙がこぼれる。
キラは躊躇いも無くラクスの体を引き寄せて、抱きしめる。
「そう、君が…みんなが無事ならよかった」
言葉だけでなく、温もりからもキラの優しさを感じながらラクスはゆっくりとキラの背中に手を回す。
「ごめんなさい」
消え入りそうな声をラクスはもらす。それをキラは聞き逃さなかった。
「どうしてラクスが謝るの?」
キラはラクスの顔を覗き込み、首をかしげる。
ラクスはそれから逃れるように、空に瞳を泳がせた。
キラはそれを無理矢理追いかけるようなことはせず、少し微笑みを浮かべてラクスの頭をそっと撫でた。
「大丈夫。僕は大丈夫だから」
幼い子供に諭すように、優しく穏やかに、そして何よりも意志の通った声で言った。
「僕らはまた、行かなくちゃいけないね。何が敵か、まだ何もわからないけれど…それでもここには居られない」
ラクスを抱きしめるその手の力が、少しだけ強くなる。ぎゅっと、すべてから守るようにラクスを包むように――。
「僕が君を守るから」
そう囁いて、キラはラクスの額にそっと口づけた。
後書きという名の言い訳
13話を見て「何かキララクを書きたい!」という気持ちに駆られ
何も考えずに書きました。
まとまりも何もありません。気持ちだけ汲んでやってください(笑)
読んで下さってありがとうございます。