ピンチの時…
「家」と呼ばれるところへどれくらい帰ってないのだろうか。
と、クラウドは思いながらエアリスの教会へと戻ってきた。
戻ってくるなり、その様子がおかしいことにすぐ気が付く。
荒らされた、というより嵐がそこに巻き起こったようなそんな惨状にわけもわからず、歩き続ける。
『クラウド、あそこ』
懐かしい声が聞こえた。
その声が聞こえた方向に視線を移す。
そこには決して華やかではないけれど、清楚な花が太陽の光を浴びてキラキラとたくさん咲いていた。
クラウドは強く違和感を感じた。
「……!」
花畑の中に、とても見覚えのある人物が眠って、いや、倒れていた。
クラウドは声にならない声でその名前を呼んでかけよる。
「ティファ!ティファ!!」
ぐったりと横たわるその人をクラウドは躊躇うことなく、抱き上げしきりにその名前を呼ぶ。
まるでいつかの光景がフラッシュバックするかのような錯覚にとらわれる。
あのときのように間に合わなかったのだろうか?
たくさんの思考がぐるぐるとクラウドの中をめぐる。
『私がピンチのときには助けにきてね』
幼い少女の声が頭の中に響いた。
すぐに呼吸の確認をし、ティファの生存を確認した。
生きてる、と思った瞬間ティファが小さく呻いて目をさました。
「ティファ!」
「ク…ラウド……」
ティファはクラウドの腕の中にいることにも気づかず、焦点の合わない瞳でクラウドを見つめた。
「誰がやった?」
「……知らない奴よ」
ティファは先ほどの光景を思い出して、大切な人物の影を探す。
「マリン……!」
そう呟いた後、ティファは痛みに意識を奪われた。
「ティファ!!」
クラウドはもう一度大きな声でその名を叫んだ。
そして、ふと気が付く。
「マリン?」
クラウドは首を傾げて、ティファの言わんことを察した。
その瞬間、左腕に激痛が走る。
それが黒い膿のせいなのか、それとも心の痛みのせいなのかクラウドにはわからなかった。
そしてだんだん意識は遠のいた――
ということで、人生初のクラティっぽいもの。
クラティは好きでしたが、何か創作したことはありませんでした。
しかし「っぽい」と名言できないのはこんな作品だから(笑)
少し書き始めると色々と書きたくなる今日この頃。
書きたい時にたくさん書きますので、ムラがあると思います。
とりあえず今は「書きたいとき」です。
書きたいときに書かなくては欲求不満になってしまいますからね!
ここまで読んでくださってありがとうございました!